アビメ論考
先日TOEIC L & R の紙の結果が送られてきました。
点数だけを知るならオンラインの結果で十分なのですが
紙の結果にはABILITIES MEASURED という
簡単に言うと各項目に対しどれ位正解できたのかが
グラフ化された欄が付記されています。
ABILITIES MEASURED の項目としてはLとRでそれぞれ5つあり
テスト作成者側の意図としてはこれらの能力を
TOEICというテストを通して測りたいのだと推察されますが
各項目がTOEICの各パートと一対一に対応しているわけではないため
パッと見、この結果をどう解釈して良いのか分からない方も多いと思います。
そもそもほとんどの人はABILITIES MEASURED など目もくれず、
点数に一喜一憂されているのではないでしょうか。
かく言う私もABILITIES MEASURED をまともに見るのは
今回が初めてで、色々ネットで調べながらこの記事を書いています。
そして色々調べていくうちに、このABILITIES MEASURED というやつは
単にどうやったらTOEICの点数が上がるか、だけに止まらず
実は「英語力」を養う上で非常に役に立ち得ることに気づきました。
余談ですがABILITIES MEASURED は通称アビメと呼ばれているらしく、
逆にアビメと呼んでいる人がいたらその人は
なかなかのTOEICマニア、いわゆるトイッカーでしょう。
以下、実際のアビメを用いて結果をどう活かすか解説していきたいと思います。
便宜的にLに対し①〜⑤、Rに対し⑥〜⑩の番号を割り振っています。
各番号に対し、TOEICの各パートは次のように対応しています。
Listening
①, ③:パート1, 2
②, ④:パート3, 4
⑤:パート2, 3, 4
Reading
⑥, ⑦:パート7
⑧:パート6, 7
⑨:パート5, 6, 7
⑩:パート5, 6
ハイ、もう意味不明ですね。
上述のとおり、アビメの各項目とTOEICのパートが
一対一に対応していないので結果の解釈が非常に複雑になっています。
なぜかくも複雑になっているかを考えてみると
TOEICの作成者が優秀すぎるから
という結論に至りました。
つまり問題の作成者は
受験者の英語力のどこに課題があるかを浮き彫りにするために
アビメという指標に則って
本当の英語力を問う問題を作成しているのであって
ただ単にパート毎に紋切り型の問題を大量生産しているのではない
ということが推測されます。
一方で大部分の受験者にとって一番重要なのは
いかに各パートを攻略して点数を上げるかであるので
アビメなんて正直どうでもいいのです。
しかし折角作成者が一生懸命作問し
一方でお金を払ってその結果を受け取ったからには
それを活かさない手はありません。
そこでアビメを活用して
本当の英語力を鍛える方法を考えました。
英語力については以前記事に書きました。
リスニング、リーディングと分ける前に
そもそも英語力を構成する三要素として
「発音」「語彙」「文法」
があることを述べました。
アビメで言うと
①、③、⑨、⑩
です。
ここの正答率が低い方は徹底的にここを鍛えましょう。
極論を言うとこれらで正答率80%を超えるまでは
各パートの個別対策はやるべきではありません。
これら三要素の基礎が覚束なければ
各パートの対策がテクニックに終始してしまい
仮にTOEICの点数が上がったとしても
英語力は微塵も上がっていない恐れが出てきます。
振り返れば私もこのケースに陥っていた可能性があることは
以前記事にしました。
①、③、⑨、⑩で80%を超えてきたら英語力の基礎は恐らく盤石です。
ですので、後は長めの会話や文章を理解するために
各パートの個別対策をしても問題ないと考えられます。
そして得られた結果を元に弱点を個々に克服していくのが
英語力を底上げする上でポイントとなって来ると思います。
まとめると、アビメで注目すべきは
①、③、⑨、⑩
です。
他の項目はとりあえず無視しましょう。
(だいぶ極論ですので異論は認めます。)
参考動画: